ひろう



稽古開始から3週間
残り152時間

第2部の場面づくりが進んでいく。

これまで、シネマイム作品をいくつも共に作ってきたメンバーだけど、芝居要素も含む第2部の稽古は新鮮だ。
台本にないことが次々に生まれ、選別され、付け加えられる。
特に、今年の新メンバーのshocoと小林がやはり刺激的だ。


演出を聞くとき、shocoの眉毛はだいたい「ヘの字」を描く。
腑に落ちず、考えて込んでいるような顔。しかし、いざシーンを始めてみると、そのヘの字は消え、思い切りよく演技プランを持ち出してくる。
悩んでることが、演技を出すことの妨げにならない。
悩む自分なんて舞台上の物語には全く関係がないといわんばかり。
でも、shocoは悩むのが嫌いなわけではなく。
フライヤーの製作なんかでも、うんうん唸っていた。こんなにも悩むことが好きな人なのに、それが演技と切り離されている様はすがすがしく、演出も、躊躇なく、窺うことなく付けていける。


小林はうるさい。
最近テンナインに参加したばかりで日が浅いため、なかなかの頻度でダメ出しを受ける。そうすると口をとがらせてさも不満そうな顔になる。
でもその不満の矛先はなにかおかしい。
当然、さっきまで演じていた自分に向いているのだけど、それは今の自分とはとっても別人のようだ。
あくまで『さっきまでの自分』だ。今の自分ではない。だから、そいつに遠慮なく不満をたれる。そして次の自分にそれを引きずることはしない。
刹那的に生きるっていうのはこういうことを言うのだ。きっとそういう意味じゃないけど、これはこれで刹那的なのだ。



新しい人との製作は新鮮で発見が多い。
この見つけたものを見落とさず拾い上げ、手当たり次第、作品に投げつけていこう。
最後に何が残るかは分からないけど、きっと今はそれでいい。